一茶俳句集
月花や四十九年のむだ歩き(P.144)
ぼくも、あと15年もするとこんな状態なのでしょうか。というか、一茶は俳句ではこうよんだけど、実際、無駄歩きではないしなぁ。
一茶俳句集って事で、2000句を読んだ年代順に選んで掲載したもの。改めて読むと、結構詠み応えがある。
我と来て遊ぶや親のない雀(P.208)
雀の子そこのけそこのけ御馬が通る(P.287)
やれ打な蠅が手をすり足をする(P.320)
この辺が有名だけど、読んで見ると、他にも結構、なるほどなぁとおもうものや、はっとするものも少なくない。
大の字に寝て涼しさよ淋しさよ(P.184)
あの月をとってくれろと泣子哉(P.190)
この辺なんか、家族が外出したらしたで、いたらいたでという実感にあふれているし、
年忘れ旅も忘るる夜も哉(P.28)
有様は我も花より団子哉(P.207)
目出度さもちう位也おらが春(P.284)
ことしから丸儲ぞよ娑婆遊び(P.316)
こんなのは、仕事をしていると、人としては普通に頭に浮かぶ思いだったりもする。
おとなしく留守をしていろ蛬(P.185)
うつくしやせうじの穴の天の川(P.189)
飛のいて烏笑ふや雪礫(P.343)
とはいえ、情景がふっと頭に浮かぶような俳句が俳句の真髄かな。一茶の句にはそういうのが多い。この三つは僕的に好きだなぁとおもえるものです。2000句もあるので、これが気に入らなくてもどれかは気に入る句があると思う。日本語を使うものとしては、是非一読下さい。