色で売る―カラーマーケティング入門

どうしても自分は色の決定にかかわらないほうがよさそうだと思うなら、センスのよい他の人にまかせるのも、ビジネスでは大切な決定だろう。(P.203)

基本的に色にかぎらず、毎度毎度こういう決定をしています。なので、ほとんどやる仕事が失われつつあります(苦笑)
本書はやや古いけれど色とマーケティングの関係を扱った入門書。それらには参考になるし面白い。

品質がよく適正価格なのに売れないのは色がよくないからである。(P.44)

とは、言いすぎではないかとはおもうが、他方で、色の選定というのはある面でプロダクトの品質でもあるので、それは品質が悪いという落ちでもあるような気もする。ただ

営利と美は、どこかで共存できると思っている。(P.206)

そんなものは当たり前であるが、

色の大切さに気づいた人々が、「もうけ」のためでなく、色の使い手の「楽しさ」と「快適さ」のために色を上手に選んで上手に使ってくれるようになってほしい。(P.29)

という一方で

売るということは目をひく戦争に勝ってから期待させる戦争に勝って、決断させる勝つための一連の活動である。(P.47)

というのは、やはりある種の心根における矛盾をはらむことになるなるんじゃないのかとは思う。「上手に色を使えば、自然と利潤が上がる」という考え一本で攻めればいいと思うのだが。その辺、著者の覚悟不徹底なところが伺える。どこかで、目先の理を語る人々に迎合した色使いをしているのではないですか?