百年の誤読

どんなに真面目、どんなに怖ろしい内容の本にも、必ず笑いどころ、ツッコミどころがありますね。(P.297)

とにかく抱腹絶倒です。これを読んでいる間中、家族に「何が面白いの?」といぶかしがられ続けました。もう、ここまで、名作をコケにする胆力というか、眼力というか非常に素晴らしいものがあります。確かに、どんな名作だって、金科玉条のようにあがめていてはその生命は失われちゃうしね。一応、1901年から2000年までの名作を100篇選んで、コケにしています。
ただ、著者たちが1960年のフォッサマグナ(P.3)言い表したのは、非常にその通りで、この書評による笑いの度合いも、1960年を境に、急に笑いが弱くなってきています。

これだけのレベルのものを書いている現代作家がいまどのくらいいるのか。(P.58)

と、芥川の文章を絶賛する反面、実は

学校教育の誤りでもあったんだけど、日本人って理屈を追う訓練ができてないでしょ。理屈を考えてるうちに、論理の中に迷子になってこんぐらがっちゃってくる(P.348)

という読者に迎合しなければならない現代作家の難しさも理解して批評はしているんだろうなと。とにもかくにも、自分の子どもにこの本を上げる約束をしたので、この本を読んで、

世の中の評価なんて別に大したことないって思えばいいんだよ。その上で読みたければ読めばいい、白紙の気持ちで。(P.66)

と、親心としては思います。