北海道昔ばなし (道南編)

「釜さん、くち惜しいのう......。」(P.45、土方歳三と老松)

ちょうど江差に行くときに、待ち合わせの場所で読んでいた本。
「江差の五月は江戸にもない」といわれるほど栄えた江差のほかに、この道南エリアというのは、1000年以上前から、和人が住んでいた地域だ。前に紹介した道央編とはまた雰囲気の違う昔がたりが多い。道央編は明治以後の話が多いが、本編は明治以前をいろいろ感じられるのだ。
明治の夜明けともいえる、箱館戦争の逸話で知られる嘆きの松のお話は有名だが、「狐にだまされた榎本武揚」というのは、開陽丸沈没の真相を、狐に包まれたとした民話があるというのははじめて知った。
民衆というのは、いろいろとおもしろく話を語り継いでいくものだなぁと実感。