樺戸監獄史話

政府ノ資力ヲ拠チ以ッテ開拓ニ従事スルニハ之ニ異ナリ、夫レ路ナキニ路ヲ開キ、橋ナキニ橋ヲ架シ満山ノ荊棘ヲ排シテ、連簷ノ人家ヲナス(p.33)

囚人開拓の拠点となった樺戸監獄の歴史を現した本。儲けとは無縁であえて囚人を使って開発をするなら、何をすべきかを、初代典獄の月形潔はこの語に託す。
この衆人の活用によって、札幌以東、以北が開かれていくのだ。
囚人開拓あってこその北海道。この事実は避けようもない。が、この囚人開拓を適切にコントロールしたからこそ、今の北海道があるのだ。