分裂病の娘の記録
四歳ならあどけないと言われるものが、三十七歳になるとなぜ狂気と言われるのだろう。(P.159)
分裂病ってなんだろう。それ自体には正直自分も親類もなったことがないので、それは良く分からない。
ただ、一度、心の病にかかったことがある人間としては、それなりに心打たれる気がする。いわゆる心の病というものの難しさは突如各家庭に襲ってくることだと思う。著者のように周りは状況を理解できず、理解しようと苦しみもがく。たぶん、そういう迷惑を両親や関係各位に迷惑をかけて今があるのだと。
この本自体は偶然にもそういう心の病にかかる前に買って読んだもの。実は、今の今まで読み返していない。改めて読み返して思うのは、「現実感のない小説」とも読めるし、「実際に起こりえた現実」ともよめる。後者のように読めるのは自分の心の中にそういう性向があるからかもしれない。
とにもかくにも、自分の子どもにも襲い来るかもしれない病。そう心して生活することが大事なのだなと。