ネットビジネス戦略入門―すべてのビジネスは顧客志向型になる

私は、あなたに自分の生活について考えて欲しいのだ。(P.34)

関連書籍の中では現在になってもいまだに秀逸な一冊である。日本人の書籍では、故三石玲子のWEBマーケティング サバイバルガイドが、それに匹敵するぐらい息の長い本といえるだろうか。このジャンル、何故か女性執筆者のものの方が説得力が高い。女性は生活者という視点があった上で社会進出しているからかなとも思う。まさに、冒頭の引用がそれを示しているのだと思う。男性著者のものはどこまで行っても生活者視点はなく、組織主義の提供者論理の書籍ばかりという感じがするのはそのせいだろうなと思う。

内容は、事例の調査が非常に丁寧で、たとえばBTOの旗手としてBTOで起業したかに語られがちのDELLだが、80年代後半に、インターネットのFTPを使った更新ソフトウエア配布を始めた(P.306デルの一番初めのネット活用モデル)ところから始まっていることなどを丁寧にリサーチしている。
また、アメリカの書籍の特徴なのかもしれないが、公的機関などの事例も充実している。とくにP194からの原則3は大学と研究助成金を出す組織が例として出てきており、適当に電子申請化しているだけの自国の事例の中でもがく立場としては、ため息が出るほどうらやましいベストプラクティスもある。

あと、アメリカの書籍なのか
Javaだ。Javaプログラミングを学べば決して職を失うことはない!(P.71映画「卒業」のパロディ)
見たいな表現なども使って、読みやすくしている。

Webビジネスのをする方には買いの一冊。