日本の医療―統制とバランス感覚

最近悪評不評だらけの自国の医療福祉等の制度についての本。1996年と昔の本だけれども、今の諸問題のバックボーンというか背景が良くわかる。薬害にせよ年金にせよ良く似た根っこから来る話なのだ。

悪口の根源が良くわかるといいながら、この本自体は「日本の医療制度は優れている」という前提で書かれている。実際に世界に誇るコストパフォーマンス型の福祉国家だということが実感できる。変な欧米型の制度を真似ることよりも、実は自国型を良く検証して、優れた医療制度を組み上げることこそ、僕らにかされた急務といえる。

蒙を開かされた一冊。書棚に保管決定。