学校って何だろう―教育の社会学入門

そういう恵まれた立場にあると考えたときに、日本の中学生が学ぶべきことは、もっとたくさんあるのではないでしょうか。自分に何ができるのか。学校という世界をどのように利用して、自分にできることを増やしていくのか。それは、自分の目でしっかりと世界を見て、自分の頭で考えはじめたときにわかってくるはずです。(P.221)

上の子供が中学生になった時に買ってあげた本。子供が家を出るときに置いてきぼりになっていたので、読んでみた。わりと良書でした。良書じゃないと子供にはやらんわな。冒頭の引用は一もそう思って学んでくれてればそれでいいよって思う感じです。
あと、いじめの洞察はなかなか違う視点ですが秀逸な気がします。教育関係者は、こういう視点で、ひとつ自省してみるといいかも知れません。
ま、下の子供が次中学生だからそいつにあげるか。

一クラスに三十数人近い生徒がいる日本の学校では、先生の目がひとりひとりの生徒に十分に届くことは難しいのです。それをカバーしてきたのが、生徒の集団の力を利用することでした。ところが、皮肉なことに、この集団の力が、思わぬ方向に向かいだしたのです。それだけに、日本の学校のいじめ問題は、学校のあり方と深いところで結びついているのではないかと、私は見ています。(P.197)