うつけの采配
「若輩が未熟なのは当然ではあるまいか。また、若輩にうるさく申すのは、年嵩の者のつとめでもある。若い衆からどれほど煙たがられようともな」(上P.92)
意外な面白さでした。というか、関ヶ原の戦いって、いっせーのせって集まって始まったんじゃなくて、随所で小競り合いをしながら最後に会戦した場所なのね。なんというか、そういう一連の流れ感がわかったのは、結構参考になりました。
でも、毛利家ってのは面白いお家だよなぁ。
それにしても、采配を振る身とは、なんともつらいものかと広家は思った。(下P.123)
世人は勝負に敗れた者を笑うが、そのくせ、みずからは敗れることを恐れ、決して勝負に出ようとしない。敗者になるみじめさを味わうくらいならば、つまらない人生に留まるほうがましというわけだ。(下P.267)