子育ての哲学

「子どもに愛されたい」という隠された思いは、休む暇もないほど大変な育児において、大きな原動力になっている。(P.75)
子どもの不安は親の欲望(期待・要求)や不安が引き起こしている可能性があるからです。それに、親が自らの欲望や不安に無自覚であれば、自分のやり方や判断の妥当性を問い直すこともできません。その結果、子どもの不安に目をつむってしまうのです。(P.242)

タイトルだけ見ると、なんか子育てのなんらかの親学的な変な主義の話かと思いきや、わりとまっとうな哲学の本でした。哲学やら種々の思想、心理学理論に照らして、今んところの暫定的な「現代の子育ての理想形と現実」をあぶりだした一冊と言えるかと思います。
なんというか、僕が子育て始める前に読めたらよかったなぁというのが実感です。まぁ、広く読んでいただければいいんじゃないかと思えた一冊でした。