ベルリン飛行指令
「あんたは成果よりも、そのやりかたのほうを大切にするものね。あんたはどんなとこへ行くにも正面から入るし、割引き値段で物を買おうとしない。たとえそれがあんたの損になるとわかっていても、あんたは表口から入って正価を支払うわ」(P.229)
なんというか、佐々木譲の主人公ってこういうプロセス重視の人が多いよね。なんというか結果オーライな感じの人は、どんな偉人でもダメな人。気持ちは分かるし、そういうのを目指してきたような気もするけど、齢四十にもあると、しっかり結果オーライで、成果が上がれば犯罪じゃなきゃかっこ悪くても何でも良いやって感じになってきてしまいました。
こういう小説の中の人物がかっこいいなぁと思えるのは、そういう過去の自分と今の自分とのギャップのなかで、過去の憧れが残ってるからなんでしょうね。
あ、エトロフ発緊急電の前作に当たります。個人的にこっちの方が好きかなぁ。素材としては、次作の方が好きなんですけどね。
「ご承知かと思いますが、私はたびたび上官と衝突、あちこちの航空隊をたらいまわしにされてきました。そのたびに酒の飲みかたが洗練されてきましたよ」(P.175)