信玄の軍配者

「だが、ひとつ忘れていることがある。戦をするのは人間だということだ。おまえが案じているように今の武田は傲っている。それを正すのは容易なことではない。いくら口で説教したところで、うるさがられるだけだ。自らが学ぶしか傲りを正すことなどできんのだ」(P.196)

おお、なるほど、早雲の軍配者からこう話が流れるわけですな。すみません、一気に読みすぎて、どこまで書くのがネタばれか、迷ってしまうので、紹介はこんなもんで。
謙信の軍配者に期待ですな。

「四十過ぎまで生きているのにろくなことがない。この先、いいことが起こるとも思えないし、さすがにうんざりしてきたから、そろそろあの世に逝ってもいいかと考えた」(P.106)

「この世に、たった一人でもわしのことを気にかけてくれる者がいるとわかっただけで、今まで生きてきた甲斐があるというものだ」(P.119)

「宿老の言いなり? いいではないか。宿老たちの言いなりになって国がひとつにまとまり、不平不満が出ないというならば、そんないいことはない」(P.137)

「おまえなんか大嫌いだが、だけど、友達だ。それでいいじゃないか」(P.182)