マドンナ・ヴェルデ

新しい機械などなくても生きていける。便利さと引き替えに手にするのは余剰時間だが、そうして手に入れた空白の時間は、なぜか手のひらからこぼれていくものだ。(P.16)

ジーン・ワルツの両A面のCDのカップリングのようなものです。なんというか、設定に「え?」って驚かせていただけました。なんせ主人公の価値観はこんな引用の方のように古臭い物を正しく尊重する人。この価値観自体は現代人が失っている正しいセンスだと思うので、よきことかなと思うのです。(BLOGでこんなことも書いてますし)
とはいえ、なんだろう、その年齢に自分が至ってないからなのか、性が違うからなのか、この本は前作よりさらにピンと来ない感じです。とはいえ作品として、完全にワンセットなので、ジーン・ワルツと両方読みましょう。

「だって茉莉亜先生は、あたしの自慢の理恵ちゃんを侮辱したんだもの。だからあれからずっと、ああ、茉莉亜先生を引っぱたかなくっちゃって思ったの」(P.324)