ジーン・ワルツ

「これから産まれてくる子どもたちを不幸にするのは、代理母によって産んでもらうことではないないわ。張本人は、国家財政の破綻を未来の子どもに押しつけようと画策している官僚・産業界・学際領域連合体のお年寄りの人たち」(P.167)

遺伝子検査で誰の子か問題が出たときに、友人に「自分が育てりゃ自分の子じゃね?」とわりと平然という人間なので、いまいちピンと来なかったりします。その辺、医学のたまごの曽根崎君のお父さんの意見にわりと組していたりします。
極北クレイマーに連なる話ではあるけれど、ちょっと、距離感のある話かな。直接的には医学のたまごの前のお話になります。要は薫君の生まれるまでのお話。
産む性じゃないので、なんともいえない話題でもあります。海堂小説なんで、小説としての面白さは問題ないのですけどね。

「要求ばかり高度になるけど、感謝が抜け落ちているから、現場を支える人たちがどんどん潰れていくんです」(P.39)