医学のたまご

囚えられてしまった悪い流れの中で、難しいのはきちんと謝ることではない。その奔流の中でも、不当な非難には敢然と立ち向かうことだ。それはただ謝り続けることよりも、ずっと大変だし、ずっと技術もいるし、何よりずっとずっと勇気がいることだ。(P.250)

うん。本当にそうだ。
いまわりとホットな論文捏造がテーマの小説。
海堂小説としては、Aiやら医療現場ではなく、ちょっと異質な医学の現場がテーマ。しかも、主人公は中学生で対象年齢もそういう若い子向け。大人が読んでも面白いのは確か。
でも、やっぱり海堂作品の流れで、登場人物はジーンワルツ、マドンナヴェルデで最後に生まれた双子の片割れが主人公で、重要なサブの佐々木アツシ君は、ナイチンゲールの沈黙とモルフェウスの領域で登場している。おまけにグッチーこと万年講師田口さんはなんと教授に上り詰めているという。そんなこんなもあわせて読むとさらに楽しめます。

でも、春休みに純粋にティーンエィジャーに呼んでもらいたいなぁ。面白いし。

「目的も持たず、そうしている理由も説明できなくて、ただやればいいと思っているなら、そいつはただのガキだ」(P.116)

君の行ないが間違っていないのなら、闘え。たとえ教授であっても、相手が間違っているなら、遠慮なく叩き潰せ。今こそ、君の心に飼っているさそりを解き放て。(P.244)