蘭陵王

「どうも、この顔ではやはり敵に脅しがきかぬなあ。冗談のつもりであったが、鬼面をかぶってつぎの戦さに出るとしようか」(P.126)

中国の南北朝時代の北朝の周と斉の闘争を中心に、実在の蘭陵王と架空の女性叙月琴の活躍を描いた歴史活劇です。
正直、田中氏の歴史ものは解説が多くて没頭しにくい(司馬遼太郎的で)のですが、これはわりとすんなり読めました。やっぱり、架空の人物を活き活きと書くのがうまいのは、やはり本物の作家なんだろうなぁ。
移動中の息抜きに、さらっと楽しませていただきました。