大衆教育社会のゆくえ―学歴主義と平等神話の戦後史
学歴を「実力」と対立させてみるこうした見方が成立するためには、教育がそもそも実力と関係するはずだという期待が、社会に共有されていなければならない。(P.124)
なんというか、非常に示唆に富む一冊。教育が実力、すなわち社会での仕事を遂行する能力に直結するというコンセンサスが、学歴主義を生むという著者の指摘は当たり前で納得。
と同時に、この思想が、学校に即戦力の輩出を求める経済界が生まれる素地になるわけだ。であるならば、大衆教育社会の問題は日本の経済力の問題に直結する深刻な問題だと言わざるを得ないわけだ。
ぜひご一読を。