世界征服は可能か?

現代の「悪の組織」とはボランティア形式で、エコロジー団体みたいなもので、案外ハートウォーミングな合言葉でまとまっているような団体ではないでしょうか?(P.185)

きっと僕がやっている諸活動はみんな悪の組織なんでしょう。悪でもいいもんね。
もともとは、ファンドレイジングを面白おかしく伝える術がないかと思って、「悪の組織って実は非営利だよなぁ。あ、タイムボカンシリーズとか一生懸命コーズリレーテッドな感じでモノ売りつけて稼いだり、仮面ライダーのショッカーの裏組織は財団だよな」とか、考えていて、そういう研究した本ないか知人に聞いたら紹介してくれた一冊。
個人的には絶賛です。非営利活動をされている皆様必読です。
抜書きをいちいち解説したい気分でもありますが、それは皆様に読んでいただいて、一緒に読後感の共有をしましょうってことで。

ヨミ様は、このマンガの中で三回も過労死します。/やっつけられるのではなく、過労死が三回です。(P.64)

世界征服が最終目的ではいけません。征服したあと何をしたいのかを、ちゃんと真面目に考えましょう。(P.80)

悪の組織のような非合法組織の場合は、やはり「理念」とか「理想社会の提示」がないと、仲間を集めることすら難しいでしょう。(P.84)

(仮面ライダーは)逃げるだけではなく、ショッカーの敵になってしまいます。ショッカーの首領や経理担当者はどんだけ悔しかったことでしょう。心中察して、余りあります。(P.90)

悪の組織だって、スタート時点ではまじめにお金を貯めるしかないわけです。(P.95)

「もし我々が世界征服のために用意した資金を、スターバックスの経営に回しさえすれば、あっというまに利益は五倍になります」「ボスは私だ。私が決める」(P.99)

贅沢に溺れて夢を忘れ、「あなたの夢はどうなってしまったの?」と幼なじみに問い詰められるヒーローがいますが、悪の首領だって同じです。(P.100)

悪の組織の「悪」というのは、あくまで外の世界から見たときだけ。組織内では普通の企業以上に真面目でないと、世界征服などという壮大な目標は遂げられないのでしょう。(P.122)

こんな世界で「世界を支配しよう」と思えば、それはもう「経済と情報の自由化」を否定するしかありません。(P.179)