ソーシャルメディア炎上事件簿

1回や2回の炎上で引きこもらず、トライし続ける姿勢は見習うべきものがある。(P.57、SONY)

意外と、これが大事なんじゃないんでしょうか。新しいものに食らいつく不屈の姿勢。まぁ、こういうお仕事をやっているので、当然のように読んでおくべき一冊と言う感じです。
色々説明申し上げる機会が多い、ソーシャルメディアですが、企業の大半は

単に、最近ユーザーが増えている場所という視点だけで捉えて、「露出先」の1つぐらいのイメージで乗り込むと、失敗することになる。(P.124)

と言う感じです。一方的に伝えるマスメディア的発想からなかなか抜け出せないんでしょうね。読んでて思ったのが、別にこんなの普通のクライシスマーケティングでしかないという感じです。

そもそもこのような極めてスパム的なプランを提示してくる外部事業者が存在すること自体が問題ではあるが、同社は「了承した以上は当社の責任」として、被害者ぶる様子は一切見せなかった。(P.117、UCCのツイッターキャンペーン)

まず炎上の経緯をきちんと振り返り、原因を徹底的につぶす。そして改善したこと、本気で取り組んでいることを対外的にアピールすることだ。(P.182)

責任をしっかり受け止めて、しっかり対応を行い、しっかり伝える。基本です。そういう意味では、ソーシャルメディアと言うのは優れた媒体なので、

ソーシャルメディア上のショッキングな映像で落ちた会社の信用を、ドミノは同じソーシャルメディアの場を使って回復させたのである。(P.84)

こういう芸当も昔のメディアよりやりやすい。発言に関して色々と指導のことが書いていますが、僕が思うに、うっかりを避けることも大事なのでしょうけど、人として誠実に周囲のことも真剣に考えて発言していれば、そんなに炎上するものでもないと思います。(炎上をやらかしたことのある僕が言うのも変ですけど)
誠実な人を誠実に雇用する。実はこれが一番のリスクヘッジなのかもしれません。

従業員の悪意なき暴走を食い止めるには、顧客情報の漏洩禁止という当たり前のことがいかに簡単に破られてしまうものなのかを具体的な事例で説明し、「自分ごと」として考え、理解してもらうしかない。(P.34)

企画進行の途上で内部から機密が漏れてプロジェクトが台無しになってしまうケースは一般企業でも十分に起こりうるリスクである(P.41)

痕跡を残さない努力より、不用意な発言を控える方が有効だ。(P.151)

ソーシャルメディア利用を制限・禁止するのではなく、リスクを含めた教育をして「従業員を守る」という視点で啓蒙していくことが重要ではなかろうか。それが結果として「企業を守る」ことにもつながる。(P.193)