政策評価入門―結果重視の業績測定
官民を問わず多くの職員は、良い結果を出したいという気持ちを持っている。(P.186)
そうなんだよね。みんないい仕事したいのよ。でも、公共ってそのいい仕事の基準作りが不明確なんだよね。いわば、品質基準なくいいものを作ろうという、意味不明な状態に陥っているのです。
そこで大事なのが、アウトプット(成果物)とアウトカム(効果)をしっかり分けるって話。本書はそこをベースに、そのアウトカムについて色々論じている本。
アウトカムの性質はざっとこんな感じ。
公共のプログラムにおいてとくに重要となるアウトカムの要素は、公正性(equity)である。(P.5)
官民を問わず、特定の一機関が重要なアウトカムを完全に左右できるということはほとんどない。しかし、その機関や担当職員は、そのようなアウトカムに対して明らかに責任の一端を担っている。(P.6)
プログラムには、直接相反する目標が存在することがある。このような場合、こうした複数の目標が関係するアウトカムは、適切なバランスを保てるように慎重に検討する必要がある。(P.165)
アウトカムの多く(特に最終アウトカム)に対し、公的機関や民間機関が発揮できる影響力には限界があるため、アウトカムについての責任をすべて持つことはほとんど不可能である。現実には、アウトカムに対する責任は通常、他の機関、異なるレベルの政府・自治体、民間組織、および顧客自身に分担されている。(P.183)
アウトカムは、その予算年度以前に着手された活動から生じる可能性がある。また、予算年度の資金に発するアウトカムは、結果が生じるのが予算年度以降になるものもある。(P.223)
あと、アウトカムを設定して出てきた数字は活用しましょう。
彼らがプロセスの一部であることを自覚すれば、革新的な提言を行おうとする意欲が生まれ、サービスの有効性を大きく高めることにつながる。(P.50)
業績測定を、上層部に対する結果責任の目的だけに利用するのは無駄遣いといってさえよい。(P.151)
変な話、自分の日常業務もずいぶん公益的なものが多いので、自分なりにこいつで指標作りしないと。