一勝九敗

仕事をするために組織がある。(P.259)

いや、全くもってその通りです。これをはき違えてはいけません。
いつもの大雪経営塾の課題図書。と言っても書名が決まっていたのではなく、柳井氏著書という条件だけでしたので、お手軽に文庫を二冊。もう一冊もすぐアップします。
ご存じユニクロの創業者の著作です。成功した経営者の本なので、少し斜めな気分で眺めつつも、学びは多くあります。
例えば、メディアとの付き合い方。

視聴者に敬意を表していないものでは、言いたいことは伝わらない(P.93、ジョン・ジェイ、ワイデン社日本支社長)

「テレビを見ている人たちをもっと尊敬して、彼らのインテリジェンスに期待すべきだ。だから値段のことをしゃべる必要はない」(P.119、ジョン・ジェイ氏)

日本の広告代理店は(中略)話が手段のことばかり。何を伝えたいか、それをどういう方法で伝えるかという、根っこの部分の話はほとんどない(P.121)

この辺は、なるほどとしか言いようがない。あと、タイトル通り負け数が多いので、失敗との付き合い方も、又学べる。

失敗に学ぶことと、リカバリーのスピード。これが何より大切である。(P.84)

いい失敗というのは、失敗した原因がはっきりわかっていて、この次はそういう失敗をしないように手を打てば成功につながるというもの。「失敗の質」が大事だ。(P.226)

と、失敗は対策とスピードが命ということだ。それがあれば、恐れることはない。
経営の方向性をどう考えるか。

インターネット組織を目指し、それに転換できないと、世界的な企業とは戦えないばかりか、次世代への生き残りさえ危うい。(P.142)

経営するうえで一番重要なのは「どういう会社にしたいのか」と、「どういう人たちと一緒に仕事をしたいのか」を明確に示すこと(P.129)

この厳しい状況下で成功するには「新分野・新市場に新技術・新方法で取り組む」か、「すでに古い産業と称される分野に新しいやり方・仕組みで取り組んで」ユーザーや消費者に受け入れられるかだ。(P.211)

買いやすい環境を作ることに徹すればいいのだ。(P.35)

と、案外シンプル。そのシンプルを試していない自分がいるわけで。あと、社会の方もそうであるべきで

「会社」が銀行から借り入れるのに「個人」が全額を連帯保証しなくてはいけない。逆に、株式公開するとなると、こんどは個人保証を全部解いてもらう必要がある。(P.62)

こんなおかしなことではいけないし、

本来の会社の持ち主は、やはり株主だと思う。株主はいわば会社のオーナーであり、オーナーであれば利益はもちろん会社のお客様や従業員を大切に思うのは当然のことだ。(P.172)

と言う話にもなる。この辺は、別コラムでも書いていて同意見。
そして働く人には

自分で考えて、自分で行動する。これが商売の基本だと体得した。(P.31)

企業には成長のステージごとに最適の教育が必要なのだ。(P.100)

店舗側の人が本部に来て、本部を変えないといけない。お客様の一番近いところにいるのは、店舗の社員たちなのだから。(P.139)

と言うことを望んでいる。読んでみて、変な話、意外と普通のことを普通に考え普通にやっている、愚直な会社ってところなんだと思った。こういう会社が増えるといいんだろうな。

「機能」に対して相応のお金を支払う、これが経営の原則だ。(P.122)