異端の空

二倍以上の敵戦闘機が待ち受けるソロモンの侵攻作戦は、もはや零戦ですらこなしえず、何でも屋の零観が運動性だけで挑戦せねばならない状況は、悲惨ですらあった。(P.191、過負荷空域に苦闘す)

観測機に戦闘させる時点で負け戦って思わなかったのかな。むしろ勝つ気ないんじゃないのかと思うぐらい。
色々な旧日本軍の軍用飛行機の出自を紹介するちょっと変わった本。技術者としては勝ってるんだろうけど、色々な用兵思想もなんもなく開発している感じで、何ともかんともと言う感じ。
好きな人は好きな本なんでしょうけど、万人受けはしないだろうなぁ。

高度一万メートルまでわずか三分半で到達、最大速度九〇〇キロ/時という信じがたい高性能に目がくらんだ用兵者たちは、それ以上に顕著なリスクに注意を払おうとしなかった。(P.14、秋水一閃)

その飛行機が優秀だったか否かは、人間と同じで、切り口によって大きな差が出る。(P.98、無敵伝説へのプロローグ)

「平時には、乗り心地がよく使いやすい。だが、いざとなると本来の弱点を現し、多くの人員、資材を食うわりに、特定の場所、場合以外には使いにくい、効率の悪い機種」(P.208、大艇、多難のとき)

「四〇〇ノット以上の高速戦闘機がほしいから、『震電』をやるのであり、あまり付帯要求を出しすぎて速度が落ちるようなことが、あってはならぬ」(P.291、前翼型戦闘機「震電」)


異端の空

異端の空
価格:540円(税込、送料別)