トヨタの闇

日本は、高度経済成長に都合のよい大企業中心の戦後日本モデルから脱却し、多元的なチェック&バランスが機能する成熟した民主国家へと、フルモデルチェンジしなければいけません。(P.305)

この本で、唯一納得できたのがこの部分。というか、丁寧な取材で、トヨタの闇をあぶりだした(というか、地元ではある種、暗黙の了解的なもの)ことは、評価できるんだけど、この空気作り出した地域社会の雰囲気ももっと考えたほうがいいよね。
僕からしてみれば、どこまでいっても「そんなに嫌なら、辞めればいいんだわ」の発想から抜け出せない。そこまで、金欲しさに企業にしがみつく方がどうかしていると思うし、取引先にしがみつく方がどうかしている。
たとえば、たしかに、トヨタがトヨタの膨大な広告費で口封じしているかもしれないけど、本当にメディアの矜持があるなら、給料が半分になる覚悟を持って、全社員一丸となってそれこそ報じるべき。それを出来ないメディアもおかしい。それに、人並みの生活という常識(この西三河という狭い地域の常識でしかないもの)に縛られて、給料の金額を求める本人も家族もどうかしている。死んでから、そんなことに気がついても無意味だ。

たとえば、本来被害者を糾弾するようなことは書きたくないけど

祝日は休日ではありません。トヨタに祝日はないんです。(P.81、過労死した社員の家族)

労働組合の活動というのは会社の仕事・業務だと思っていたんです。(P.89、過労死した社員の家族)

なんて、社蓄的発想の典型だ。会社の常識は社会の非常識がまかり通っていたら、それはおかしいといえる人間でまずはあるべきだ。そして、それはおかしいと声を上げて、その通り行動で示すべきだ。
大体、そこまでして車作る必要が社会にあるのかぐらいから考え直せよ。
ちなみに、被害にあっている小市民だけが一方的に悪いとはいわない。

トヨタは、自分たちがここまで恐れられている存在であることを理解し、謙虚になるべきだろう。(P.28)

はその通りだし。ただ、トヨタや国を叩く前に、社蓄のような生き方から脱却しない多くのサラリーマンやその家族、そういう空気をかもし出す地域社会だって無罪放免じゃない。そこのところは、みんな自覚して生きていくべきだと思う。


大和ハウス程度の"小物"だと、1億円程度でも見出しにとられてしまう。(P.22)

「本来もらえるはずのカネを、不安感と換えている」(P.53、元社員)

夫のように頑張って働いた人間によって、2兆円(経常利益)というトヨタの利益が生み出されているのです。それなのに、"自主活動"だから仕事じゃないと、監督署が労災を却下するなんて信じられない。(P.115、過労死した社員の家族)

トヨタが変われば日本が変わる。だから頑張るのです。(P.143、第二労組の代表)

国民の税金で作った資料を、平気で隠したあげく、死人が出るまで放置する。(P.153)

1000台売ったら、999台は人名を脅かす欠陥車だから修理が必要で、直してやるから売った車を持ってこい、もちろんその時間と労力は、無償で提供せよ(P.156)

国民の立場から判断すれば、そのままWEBに載せるべきであることは疑いの余地がない。改善率が低いメーカーは、株主のプレッシャーも感じて一所懸命回収を頑張るだろう。(P.175、公開情報を集めて筆者がつくった改善率データに関して)

「現状では、公開できる情報はございません」(P.291、トヨタお客様相談センター)

【送料無料】トヨタの闇

トヨタの闇
価格:735円(税込、送料別)