注文の多い料理店

新編:銀河鉄道の夜に続けて読んでみた。
新潮文庫が2冊で編集していた賢治の童話集を、大幅に増補して3冊に再構成したもので、新編と頭に着いていないのがこれ。で、いまいち編集意図が読めないのが、この「注文の多い料理店」。

賢治の生前に出版された唯一の童話集「注文の多い料理店」の全作品プラス、10作品というつくりなんだけど、この10作品については、他の2編の編集方針に合わないけど気に入った奴を一まとめって感じ。
ものすごく雑然としている感じ。
ただ、その分、賢治の童話というのが編集者の意図を無視して楽しめる作品群になっている。
で、改めて読み込んでみて、賢治の童話の本質は、ファンタジーとサイエンスフィクションの境目を行ったり来たりしているところにあるのではないかと思う。当時としては、多分かなり珍しいであろう、科学的知見を元に織り込んだ虚構のお話がとても多くある反面、ものすごく非現実的で非科学的なファンタジーとして成立している。SFは科学技術を敷衍して書くことで、リアル感の出るフィクションを構成している。が、賢治の作品は、科学技術を話しに織り込んでいるけれども、ファンタジーのようにきちんと現実とは切り離されたフィクションを構成している。

いわば、サイエンスフィクションならぬサイエンスファンタジーとも呼べる作品なのだろう。
どっちにしてもSFってことで。
これは書棚保管で、子供が漢字を読めるようになったら譲渡しましょう。