世界のコンピュータ・マップ―PCバトルロイヤル〈'94〉

いまの子どもが立派なハッカーに育つまであと10年はかかりそうです。(P.34)

さてはて、15年ほど前の本なので、当時の子供は立派にハッカーになっていることでしょう。古い本なので、3DOなんていうなつかしのハードについてがりがり解説してあったり、いまどきねぇというRISCとCISC戦争の解説があったりとする。その辺はさておき、意外と興味深い内容も少なくない。
iPODあたりを念頭に置くと、アップル社の話題はなんとも含蓄が深い。

新しい技術を使った製品では、第1世代が失敗するというのはよくあることです。(P.13アップル社のニュートンを評して)
パソコン以外のビジネスに進出するしかないと思います。(P.30アップルの今後)

この辺なんか、iPODの出現を感じさせますし

ついにマックを捨ててUNIXを始めるつもりですか?(P.41)

なんかは、MacOSのXなんかを感じさせます。まぁ、偶然の符合でしかないでしょうけど、昔の予測は当たっていたとしても短期も長期も中期もごっちゃなので、今読むと面白かったりします。

日本は依然として人海戦術を前提とした仕組みの中で戦おうとしている。だから勝てない。(P.188)

で、今某国はこの前提の仕組みでがりがりと先進国の仲間入りですな。日本は負けたのにねぇ。

ヨーロッパ一般でのコンピューターリテラシーはその程度である。(P.100アプリに精通してDOSコマンドが打てれば履歴書に書き込め、CONFIG.SYSを設定できればエキスパート)

で、これよりリテラシーが上がって高度になるかと思いきや、WORDとEXCELで履歴書で、DOSコマンドでエキスパートと退化中。さらには、国家政策としては

未来に向けて本当の情報立国になるかどうかは、教育方針を含めた<ソフトウエア>と「国家百年の計」の明確な<ビジョン>が確立するかにかかっている(P.165)

と、15年前のままで立ち止まっているポイという危うい状況。頑張れ日本って感じです。