ONE to ONE企業戦略―顧客主導型ビジネスの実践法

それじゃ、ウォルマートで買ってきて、私が注文したものといっしょに詰めて送ってくれないかしら?(P.207)

それが出来ることが、そんなにすごいですか。というか、現某薬局チェーンは、そのむかしないものを探している客がいれば、ある店までチャリをこいで買いに行ったもんだ。でも、それは顧客にとってありがたいかもしれないが、余り行き過ぎると暴君の大量生産にしかつながらない。
結局のところ、OneToOneであれなんであれ、マーケティング理論上では顧客と会社の利益の綱引き関係である以上、企業にとっての顧客の前提は暴君だし、顧客から見た企業は利益を掠め取る輩なわけだ。

で、結局、暴君とどう付き合うかという話以上にはならない。自分にとっての暴君の分類でしかないわけだ。

顧客が企業に対して期待するニーズはさまざまであり、顧客の企業にとっての価値もまた、さまざまである。(P.32)

で、顧客から見た企業なんてのは

マーケティング部がこうする(新規顧客獲得を優先する)理由は、ウィリー・サットンが銀行強盗をする理由と同じで、「そこに金があるから」なのだ。(P.94)

こういう押し込み強盗が少しスマートになった程度である。そういう知恵の一つで

新規顧客には特典があるので、賢い消費者はいつも自分を新規顧客だと思わせたがる。(P.178)

こういうヒットアンドアウェーで自己保全をするわけだ。挙句お互いに

企業が自分の利益を守ってくれると思う限り、顧客はその企業との取引をさらに増やしていくはずだ。(P.204)

という感じでいつか裏切るものだと思っているわけだ。

顧客の価値の差がそれほど大きくないビジネスもある。(P.42)

ま、暴君でも武装の差はあるから、ケースバイケースでその差をうまく使えって事でしょうね。ありがた迷惑。本当に顧客のための仕事って何ですか。

ワン・トゥ・ワン企業にとって、価値は製品の機能ではなく、顧客の機能にある。(P.303)