Linuxはいかにしてビジネスになったか―コミュニティ・アライアンス戦略

なんでみんなそんなにお金がほしいかなと思いますよ。(P.182、モルフィー企画とよぞう氏)

実は読み捨てちゃえって思って、再読してました。でも、これは再読するに十分値する本でした。Linuxの本と思うと大間違いで、いまであればNPOの職員やボランタリーグループ、加えて、CSRを推進したい企業担当者等々、一度読む価値のある本です。
特に、P.169からの「MorphyOne-オープンハード・プロジェクト」は非常に優れた事例分析で、ぐっと引き込まれて久々にこの手の本の一節とはいえ一気に読みきれる面白さでした。

ちなみに、僕も実はここ数年、本書と似たことを提唱していて、それについては企業の社会的責任とは何か?~NPO・任意団体との協業の勧め~を読んでいただければと思います。とはいえ、僕の主張と大いに異なる点もあって、特に、企業の営利性についての認識や社会と通貨に関する考え方は大いに異なります。特に

「中央の誰かがしっかりやってくれているから自分はなにも考えなくていい」とか、「まずいことをやったら中央からしかられるのだから、そのときまでほうっておけばいい」という考えでは、システムとして立ちゆかなくなってしまう。(P.120、LETSという地域通貨システムについて)

は、LETSという地域通貨システムだけではなく、普通に考えて国家そのものについてもこの考えでは許されないはずです。当然、それに連なる、円という通貨においても然りのはずです。要は根源で、企業(法人)も個人もある一つの価値観のみを信仰し追及しているのではなく、バランスよく各種の価値観を適度に追い求めればいいだけなのです。その際に、営利中心の組織で物事を考えるため

自発的に情報を発信している人に対して、ほとんどその人とは関係ないモノを買うことでしか報酬を支払えないという現在の仕組みは若干おかしいですよね。(P.151、情報対価の広告モデルについて)

のようなおかしな事態に至るということでしかありません。
論の細かい点の差異はさておき、非営利セクターも営利セクターの方も一度読んでいただきたい良書でした。