ITマネジメント

結局のところ技術は、情報時代の救世主でもなく、守護神でもない。(P.170)

ITをマネジメント(管理)することに関しての論文集。内容的に浮ついたところがなく、論文なので、各章がかなりかっちりとした内容である。特に、ERPとアウトソーシングに関する議論は参考になった。
特にアウトソーシングに関しては数章を割き、力を入れた解説となっている。とはいえ、各章を担当した各人の意見は、決してアウトソーシング礼賛ではない。冷静に切り分け、切り分けてアウトソースした後の管理の手法や重要性を述べている。

最終章の2000年問題に関しては、若干時代遅れで蛇足の感はあるものの、全く役に立たないということはないだろう。

翻訳の関係か原文の論文調のつくりのせいかはわからないが、やや読みにくいところもあるものの、IT導入を検討している経営者やMOTを志向する学生などは一読すべき本であろう。