遠い海から来たCOO

「お前がクーぐらいの大きさのときは、父さんと母さんが代わりばんこで、いつもそうやってゲップさせてたんだ」(P.87)

中高生と中高年、違うのは一文字だけれど、ずいぶん違うもんだ。中高生のときさわやかに読んだ小説を、中高年の入り口ぐらいで読んでみると印象もひとしおだ。
なんと言うか、自分の年代に合わせて主人公の代わる読み方になっている。明らかに、このお父さんが主人公で読める。少年の台詞は、この世界を写す父親の言葉を引き出すためだけのもの。
でも、うちの娘が、こんな変な生き物拾ってきたら、こんな父親見たく振舞えるかなぁとおもう。まぁ、専門が違うからな。そんときは、友人知人駆使して近い対応する大人にはなれたように思う。そういう大人になっていく方向に生きているって事は、初めて読んだときから見えない影響を受けてきたのかな。文って結構怖いよな。まじめに書かないと。

「いつかはその時が来るってことだけ知っててくれればいい」(P.47)
「お前はクーの母親に選ばれたんだよ」(P.52)
「私は一応、科学者なんでね、そういう文学的な表現は好かないんだ」(P.178)
「あなたの哲学が、あなた自身を裏切る日が、すぐ来るのよ」/「それも分かっているつもりだ」(P.211)