優れたウェブサイトといえども、駄物を救うことはできない(P.283)

これは、本書で見出した名言だ。その通り。Web以前に、まっとうな商品やサービスをいかに生み出すかが重要なのである。そして、継続的にまっとうな商品やサービスを生み出すためには、ビジネス全体のマネジメントが必要であって、Web戦略がなくとも有史以来そうして人類は商売を営んできていたのだ。
そういう観点で見ると、本書が提唱する「ウェボノミクス(Webonomics)」という研究領域はあまり意味を成さない。どこまで行ってもWebを中心においた研究ということに意味はなく、人間を中心においた研究こそが重要なのである。
そんなに、ビジネスそのものの本質がWebの出現で変わったようには思えない。Web帝国主義者のような人には歓迎される主張の数々かもしれないが、実際に今読み返すと、ビジネスの洞察ということに関しては結構上滑りしている。

不要なのでBOOKOFF送り。