現代童話〈5〉

「ともかく、なんにもないんだから。けど、ないからしかたないじゃあ、すまされなかったんだよ、わたしたちの仕事は。」/おばさんは、大きくひとつ、ほうっとため息をついた。/「生きようとしているものがいるかぎりはね。」(P.231、デブの四、五日)

シリーズ最後です。さすがに、童話ばかりとはいえ、5冊も読み続けると、少し頭のロジックが変わります。一番新しいものなので、呼んでいて、自分が親の視線で、読めるものが多くあることに気づかされます。

そして、ぼうぎれを ひろってきて、ばけつのそこに、/"きつね こんすけ"/と なまえをかく まねをしました(P.71、きいろいばけつ)

これなんか、自分の下の娘のちびっこいときを彷彿とさせるお話で、きっと、今時分の娘に普通に詠み聞かせたい話ですし、分別のつくようになった上の娘には

なんで、そんなミルク飲ませたんや。おばちゃんのいうことわからへん。(P.46、はせがわくんきらいや)

なんか、読んで社会的なこともそろそろ考えてもらいたいなぁとおもいます。
それ以外にも、いいなと言うのがあったので、とりあえず抜書きだけ残します。

はこのなかで、おかあさんが目をさましたときのことをそうぞうしながら、にこにこしていました。(P.112、かくれんぼ)

ぼくは、ぼくだけが すきなものをみつけて、ぼくにしか かんがえつかないものに、きっと なります。(P.166、ぼく、おにっ子でいくんだ)

ぼくや、お母ちゃんには、人に分けてあげられるようなやさしさが、あんまりないことがわかった。(P.189、へびいちごをめしあがれ)