ことばの切れ味―「生き方」を発掘する200のヒント
いい人ほど悩むものだ。(P.i、まえがきにかえて)
そうかねぇ。そもそも誰でも悩むもんだと思う。さほど悩んではいないだろうが、このろくでもない僕でもそれ相応に毎日悩んでいるものだ。で、この本のこれをとれば、俺はとっても悩んでいる、よって良い人なのだなどと、自己反省もなく読むような輩も少なくないんじゃないのかね。
ちなみに、表題のいう意味合いで、生き方の発掘には全く役立たず。とはいえ、すべてにおいて無用で役立たずというわけではない。今の自分や社会の状況に対して「あー、そうだなぁ」と比較的素直に読める本ではある。
今回さくっと読んで、あーなるほどと思えた部分を引用。それぞれ言いたいコメントもあるけど、なんだか棘が立ちそうなので、引っ張っておくだけにする。
会社は、そういう一つ一つの普通のことの集積なのだ。世の中またしかり。(P.15)
妄りに人の師となるべからず。また妄りにひとをしとすべからず。(P.49、吉田松陰)
老いることが出来ない社会よりも、それが可能な社会のほうが勝っている(P.64)
現代の親の問題として、自分自身のやりたいことに夢中になりすぎる(P.78)
人の時間を盗むな。(P.119)
自分をよく言うことは、相対的に相手を認めないことであり、相手を低く見ること(P.159)
あまりにも性急に恩返ししようとするのは、一種の忘恩行為だ(P.165、ラ・ロシュフーコー)
この社会では、他人がやって当たり前と思っていることの中に、本当は自分自身でやらなければならないことも多くある。(P.190)
この辺かな。とはいえ、
どんなものでも、それを盲信したところから堕落が始まる。(P.144)
なので、とりあえずは、この本も盲信せずに堕落せぬようにするか。