ブレイズメス1990

「カネを重視しないとは、金持ちにしかいえない台詞です。そんな輩ほど、カネがなくなったとたん、自分の無能をカネのせいにする。そんな間抜けに未来はありません」(P.250)

ブラックペアン1988の後、渡海なきあとの佐伯外科がどうなるのか。と、思ったところ更なる天才、天城が登場しバブル期の日本の医療を爽快にかき回してくれます。
モンテカルロで活躍していた頃は、彼の手術を受けるには全財産の半分をルーレットに賭け勝たなければならないという設定。どんなカネの亡者かいと思えば、わりと親切なお兄さんで、後のシリーズで活躍する、ツバメ四天王の先輩格の世良先生をジュノ(青二才)と呼び縦横無尽にこき使うという楽しさ。個人的には、次のスリジエセンター1991とセットでしっかり読んで欲しい一冊です。

「心配するな。この世界は、私が行きたいところに道ができるんだからね」(P.187)

「いや、私にやりたいことなど何もない。時の流れに流され、ジュノの激情にほだされて、この地にたどり着いただけさ」(P.272)

「追試で結果が出ないのは、追試した心臓外科医がヘボなだけだ。ヘボ外科医が優秀な外科医を当事者不在の舞台裏でブーイングに晒すなど、アカデミズムの世界では許されない」(P.321)

「パーフェクト・サージョン、アマギにも死角がある。アマギを連れ帰った君はそのことを覚えておきなさい。そして君だけは、たとえ世界中がアマギの敵に回っても、必ず最後までアマギを守り続けなさい」(P.338)