中国名医列伝―呪術・漢方・西洋医学の19人

「医術は行なわねばならない。しかし、おろそかにすべきではない。行なうには、かならず天資英明にして、万巻の書を読破しなければならない。それでこそ済世が出来る」(P.130、葉桂)

人の命を預かるってのは、いつの世でもどこの世でも大変なことで。
中国史上に現われた、19人の名医を通じて、中国の医療の変遷がわかる書。正直、医者のエピソードそれぞれも面白いです。仕事で買ったときには、トピックスを拾うことで手一杯だったので、あまりその辺を楽しめていませんでした。
ともあれ、今も昔も医者ってのは大変な商売なんだなぁと。それにしても、こんな名医、実在したんかいな。日本だと誰なんだろうな。こういう名医。

巫を信じて医者を信じないことが、第六の不治である。(P.11、扁鵲)
民衆は医学に無知なため、いったん病にかかると、方術士や巫を盲信して命を落とす。(P.34、張仲景)
対抗心はあったが、医術においては互いに尊敬していた。自分の手に負えない病人がいると、相手に紹介しあう。どちらも誠意を持って引き受け、病人を治療した。(P.127、葉桂と薜雪)