(1)北海道民のなりたち (北の生活文庫)

北海道に在る人は、昔時専ら他道を指して内地と呼ひ終に口癖となりて今尚ほ往々之を用ふれとも、その語の穏当ならさるは説明を待たすして明らかなり。(P.177:殖民公報1号より)

僕も内地って口をついて出ちゃうんだよね。別の本の一部を書いたときに、北海道の経済が上向かないのは住んでいる人間の植民地根性がよろしくないと糾弾したけど、僕もあんまり偉そうなことはいえない。
本自体は、アイヌの時代から現在の北海道に至るまでの経緯を適切にまとめている本。特別に悲劇談に偏ることもなく、結構公平な感じで北海道人の現在の気質に至る経緯をよくあらわしている。
そういう意味ではいい歴史資料のまとめたものではある。ただいまの北海道で、「なるほどわかった」で済ましていては後が怖い。一度読んで、で、何をするかを考えてほしい本である。