変わらない自分
わくわくセンターを運営するNPOの有給スタッフ全員によるミーティング。指定管理等を次々と取ることによって、ここ2年で、有給スタッフ約40人、予算規模約1億5000万と急拡大。多分このエリアでは有数の巨大NPO。
で、急拡大した組織でありがちな問題で、そもそも、このNPOのミッションやら理念が何だったのかをイマイチ理解しないで入った職員も増えるということがある。ここも例外じゃない感じ。特に、日常業務が直接理念直結の内容じゃない施設系スタッフは、そういう実感が無いまま手伝っている人も少なくない。
で、そういう講義やら議論をする研修会なんだけど、僕としては、理念が共有できなくても使ってくれればそのスキルはホイホイ提供しますってところがある。いわば、中身が空っぽの道具で、自分の理念がどうかというところとはちょっと別に能力の提供ってのがついてきている。
むしろ、中身を問われちゃうと困る。いわば、理念を持っている人に最善の道具としてノウハウを提供するというスタンスで、自分が自分のためにノウハウを活用するということはほとんど思いつかない。
実は、これって23歳の時に放送局を辞めた理由そのものだったりする。大学の時に、広告代理店に入りたくて、業界マニュアルに従って活動して、マスコミって言うジャンルの会社を受けまくったわけだ。そうして広告代理店じゃなくて、放送局そのものに入っちゃったんだけど、これがきつかった。
何がきつかったかというと、忙しいこともさることながら、「お前の伝えたいことを持ってきて、お前の想いを持って、番組にせよ」といわれるわけだ。ちなみに、その放送局の最終面接のときに「あなたは何をしたいですか?」と問われ「まだありません。これから探します。すみません」と謝ったぐらい。
ちなみに、広告代理店であれば、お客さんが売りたい商品があって、それをよりよく伝える方法を共に考えて、CMなり何なりにしていく。伝えたいこと自体はお客さんが持っているというわけ。伝えるノウハウ提供というわけだ。コンサル業なんかもこれに近いし、その後の仕事のセクションもこんな感じの業務が多いので、ハードだけど長続きしている。
当然結婚してから「それにノウハウ提供すると子供のたちが大人になったときにどうか」という事業理念は持っているけど、せいぜい安全装置がついたくらいで、相変わらず空っぽの道具であることに大差はない。今回の研修で改めてそう思ったりしたわけだ。