僕のロールモデル

最近、大学生の「新しいことをやりたい」という友人が増えてきている。とはいえ、三河の果てに住んでいると会うということはほとんどなくて、ネット、ほとんどがSNSの手合いで、お互いの動向を把握しあっているという感じ。
彼らの僕に対する紹介文を見て「ぉぃぉぃ、誉め殺しか」というぐらい誉めてもらえて、挙句に物真似のネタにまでした楽しんでくれているらしい。(後段は、しょーご、まみー、たけちゅ、主に君らのことだ(笑))

なんと言うか、こう、彼らの紹介文を真に受ければ、いわゆるロールモデルにされる側の人間になるほど歳食ったのかなぁと思う反面、果たして自分は自分のロールモデルを超えれているのかなぁとも思う。
僕の仕事に関するロールモデルは実は3人だったりする。多くの人に仕事上お世話になって今があるのは確かだけど、お世話になった相手ってのと、ロールモデルってのはちょっと違う。まぁ、ロールモデルは3人とも大変お世話にもなっているけど。

一人は大学時代のバイト先の社員さん。一人はNHK時代の先輩。一人は大学院時代のバイト先の社員さん。

大学時代のバイト先は家電量販店。そこに中途入社で突然現れたのが、第一のロールモデル。お客を良く見て新しい提案をしていく。冷蔵庫だろうが洗濯機だろうが電池一本だろうが常にしていく。そのベースは前職だった肉職人時代にあるそうで、某スーパーの肉コーナーを仕切っていて、鍋セットのような企画ものを日本ではじめて開発したりしたらしい。それで、そのスーパーも売上増。その人の人気もうなぎのぼり。でもある日突然退職。理由を聞くとまたすごい。その会社がコストダウンの名のもとに、本来は職人の良心として売ってはいけない売ってはいけないよう部位を平気で混ぜるなどし始めたらしく、退職を決意。
で、社長に「なぜやめるのか?」と引き止められたときに「自分のスーパーで売ってる肉食ったことありますか?」と逆に問いかけたそうです。社長の回答が「食ったことはない」。
この人は「食ってみたらわかりますよ」と一言言って交渉打ち切って、即退職。お客さんにいいものを出す、喜ばれるものを出すということに、とことんこだわると、目先の自分の利益や身分なんか普通に投げ出せる。

でも、今の僕は当時の彼より少し年上。でも、こういう気概を盛って良い仕事をしてあげれているだろうか?

第2のロールモデルであるNHK時代の先輩は、とにかく勉強する人。そして人に簡単に物は教えない人。努力あるものに惜しみなくすべてくれる人。そして、結果は結果、実績は実績としてきちんと判断する人。初めて局内で紹介されたときは、「ここが資料室。とりあえず全部見とけ」という非常にそっけない指導(というか、それ以下の扱い)。でも、最後には徹底的にノウハウを教えてくれた。
「仕事は公私混同でうまくやりなよ」というのが口癖。でも、彼は結構ストイックで、公私混同は実際はしていない。というか、全人格的に公。「仕事は全人格で勝負」というスタンス。
敵も多い人だったけど、それをものともしない。いい物を作るためには、妥協無し。

でも、今の僕は当時の彼とほぼ同い年。でも、そこまで真剣に全人格を仕事に賭け、妥協なく最高のサービスを作っているだろうか?

最後のロールモデルは、大学院のときのバイト先の社員。GSMの店舗の商品管理担当。一緒に商品管理を通じて店舗のBPRをやってました。公私共にすごく仲良くしましてました。よくおごってもらった。さんぱちラーメン。
でも、くだらないことでよく怒られた(笑)。だって、職場自体は単純作業なんだもん。実は自分は単純作業でミスがすごく多い人間だったりする。この人が僕に教えてくれたのは「ミスが多いなら他人の3倍の回数チェックしろ」という普通のこと。実は仕事で一番大事なのは、普通のこと。そういう仕事を見て「これは俺様がやる仕事ではない」という台詞は、「この程度の仕事もできない無能者」と自己宣言しているようなもの。
でも、部下や仲間を守るためには体を張る。運送業者に僕が濡れ衣を着せられたときも、徹底的にやってくれた。その件は無罪。さらに、このGSMでリストラの嵐があって、そのときに、本社の人事部長に、「おまえら経営責任取らないで、したに押しつけるつもりか!ふざけるな」といって、手元のお湯をもろぶっかけた。仲間のためなら、ある面で滅私。ちなみに、この人は仕事ぶりがいいので、黙っていれば、出世もあるだろうといわれていたけど、左遷決定。

でも、今の僕は当時の彼とほぼ同い年。でも、そこまで、仲間を守るためにすべてを賭けたり、あたりまえの仕事を教えるために真剣に怒ったりしてるだろうか?


こう思うと、僕はこの3人に全然追いついていない。まだまだ、ロールモデル気取るには早いなぁ。まだまだ人間精進ですな。