ファイナンシャルプランニングという脅迫商法

最近出張で高校を巡る機会が出てきた。で、そこで、よく話題になったのが、金がないから大学に行かせられないという話。
同行した某大の学部長が、そういうことをいう進路指導の若手の先生に「金なんて、どうにかなるもんだ。まずは、行ってみて、バイトでも何でもしながら俺らだって卒業したんだ。うちも貧乏な家庭だったけど、とりあえず行ってみて頑張ってなんとかんとかしたもんだ。はじめから金がないから駄目だ、という話はそもそもおかしい。」ぶちぎれていた。
ぼくも、この学部長に同感。むしろ感動したものだ。確かに学費というのはトータルでいくらぐらいかかる、というのは確かにあるかもしれないけれど、それを全額はじめから持っている必要はないはずだ。バイトをしたりとか、いろいろ学ぶためのトータルの苦労をしながらやっていけばいいだけの話。金がないから学べないなんて真っ赤な嘘だ。
その辺そのものの話は、前に書いたのでそっちを見てもらうとして。
蛍雪とか学力格差と経済格差は無関係

で、それ以外にも非常に気に入らないのが、万事なんでも、はじめる時点で完了するまでのお金を全部もっていないければいけないような風潮。確かにバブルの頃のように何でも借りればいいや、ローン組めばいいやもおかしいが、老後はいくらいる、学資はいくらいる、それがないとその生活は送れないと、二言目にはメディアで騒ぎ立てるファイナンシャルプランナーといわれる輩の言いぐさが気に入らない。
こいつ等はそういう不安をあおって家計簿を巻き上げ、そいつの財布のなかから巻き上げる限界金額を把握し、保険やらナンやらの契約を架け替えさせ、一手数料かせいでいるだけとしか思えない。まさに人の不安に付け込む商売だ。これは、ただの脅迫商法以外なんでもない。
これをメディアが喜んでタイアップしてやっているというのだからあきれるばかりだ。国家の方も、わけの分らん、子供手当てだの、年金制度だの、高校無料化だのするより先に、こんなあからさまな脅迫商売こそ、規制をはめるべきだ。
年金なんぞ別に働けるのなら生涯現役で働けばよいのだし、学業なぞ働きながらまねべばいいし、子守なんかもちゃんと地域の一員として暮らしていれば、ある程度は地域が見てくれるものだ。こいつ等の言いぐさを聞いていると、生まれた瞬間に全生涯のプランにかかる金をもっていないといけないといわんばかりだ。人生、人の役に立ちつつ稼ぎながら暮らすものだ。それは、親も子も年寄りも一緒。
それを、こんな風に目先に無用に大金がいるかのように見せかけて、あおりにあおって、所得のある層からは金を巻き上げ、所得の無い層にはただの不安に陥らせるだけの、ファイナンシャルプランナーといわれる連中は無用の長物としか思えない。

その思い込みで、親が学業を諦めさせる事を正当化させ、勝手に所得と学力の格差を相関付けてしまう。こんな、次世代に対する罪悪は他にはない。FPに求められるのは資産運用や資産管理と生活保障をきちんと意味を踏まえて、短絡的にいくらいるという下らぬ議論ではない、ちゃんとしたフィナンシャルプランを立てれることだ。そういう真っ当な資格制度に即刻変えてもらいたい。政治もこの制度によって歪んだ社会が助長されているということは見過ごしてはいけない。