想いを形に
大阪へ。今年に入ってからすこしづづ進めている、大変尊敬している経営者様の企業グループのシステム構築の事業で、前回の会議で、大阪のグループ内の会社が「うちはそんなもんできとるが」というお話を聞いて実地見学したいということで、そのシステムチームみんなで見学に。
道中いろいろ会ったものの、無事到着。現場見学だけではなく、重要な機密会議やゆっくりとヒヤリングできる場も作ってくれる。現場はある意味想像どおり。こうあれば、まちがいなく、こんなもんはできてる、という発言につながる管理はできる。あとはヒヤリングを相互にしながら、外様ITチーム(僕も入るんだけど)が、具体的な導入に関して、具体的な議論を現場の方々とし始めている。話としてはあっているんだけど、今はそういうテクニカルな議論をすることに意味があるのかなぁ、などと一人考えてしまった。
たしかに、ITはツールだし道具でしかないんで、どう便利であるべきかとか、費用対効果とか、具体的な導入メリットとか、議論するべきではある。でも、機密会議の議論を横から聞いていたりとか、ヒヤリングのさなかの端々から出てくる、現場の皆さんの今の商品や今の現場への愛着みたいなものを感じるわけです。なぜそう思うかというと「IT入って便利になるのは良いけど、現場を見なくなるのが怖い」「(新人やパートさんには)現場に行ってもっと野菜(野菜屋さんなので)を見て欲しい」という現場の方の発言が、とっても深いなぁと感じたわけです。ITチームの提案するソリューションは、どちらかというと現場に行く回数を減らして、効率的に管理できる手法。
今を改革するためにITをいれるんだけど、本当に、今、って悪いものなのかな。なおさないかんものなのかな。とも思ったわけです。外様ITチームの2名の言う通りで、直す何かがあるから議論しているはずなんだけど、それはテクニックから入る内容じゃない気がしている。
たぶん大事なのは、こういう現場や、経営者や、お客さんの、この事業やサービスに対して持っている「想いを形に」することではないかなと。便利であるということではなく、この3者の想いがきちんと形になって、事業を通して得られる何かがちゃんとITという土台の上に乗っかっているシステムであるべきなんじゃないかと。企業内システムってのは、そういう想いを形にするものなんじゃないかと。
そう思うと、今聞くべきは、彼らの想いであって、テクニカルにシステムを組むのに必要な使用決めのヒヤリングではないんじゃないかと思えてきて、だんだん私にしては珍しく口数が減ってきた。
子供のこともあるので一人だけ早帰り。多分、残りのみんなは、夜中までいるんだろうから、現場の人々と酒でも入れて、じっくり思いも聞けてるんじゃないかなと期待している。私は駅まで、送っていただいた方と、少し車の中で会話。「現場が楽しく使えるシステムが良いですよね」というご提言をいただく。本当にそう。