貸し金だけが悪いのか

アイフルの事件が騒がれているけど、本当にアイフルが悪いのか。とか実は思っている。
確かに、認知症患者だまして貸し付けたりしたのは明らかに悪いんだけど、健全な判断のできるはずの成人が借りた金を返さないというのはそもそも論外なのではないだろうか。ましてや、違法か合法かは知らんけど利率だって提示されている。これで「返さないで怒られて、怒り方が恐かった」とかいってがたがた騒いでる奴は、頭おかしいんじゃない、とか正直に思うわけだ。
そもそも、ほとんどの場合が、事業資金でもなく、個人の生活やら奢侈のためなんだから「自分の個人的信用で借りろ」とか思う。
#事業資金の場合は、むしろそんな消費者金融じゃなくてちゃんと投融資受けろって話だけど。

要は、友人知人に頭を下げて、いくら借りることができるかということである。その上限があなたの信用。それを超えて借りるから、おかしな話になる。人間大事なのは使いたいだけ借りるんじゃなくて、信用で借りること。そりゃ、知人から借りるのはかっこ悪いけど、そもそも、借りなきゃいけないような事態を引き起こしたこと自体かっこ悪いんだから、そこで取り繕ってる方がおかしい。
大体、人間、普通に付き合っていれば「こいつにそれなりに世話になる(なった)な」というものはそこそこあるんで、それ相当の範囲で貸してくれるもんだ。いわば、感謝の前借みたいなものである。当然、金額だけじゃなくて、そういう世話で返してくれるであろう分を想定して貸してくれる。お金は本質的に「ありがとうの記録」にすぎない。それを地で行けばいいだけのことである。

こんな偉そうなことを書いているけど、ぼくも借りるときは借りる(最近は全然借りないしちゃんと返済済みである)。でも、消費者金融で借りたことはないし、クレジットカードも持っていない。いろんな人に、かっこ悪いけど無心する。でも、ちゃんと感謝の意はあるし、その借りた分をいろんな形で返すように頑張っている。そういう意味では、利子は無形のお世話返し。非常にこちらの方が高い。でも、人の世はそんなもの。本来は、感謝の前借などせず、きちんと他者に対してありがとうの価値を出して、その価値の分だけで生活するのが正しい。そういう、ありがとうのお返しも出来ないような奴は、論外だ。法で守られる以前に病院にでも監禁されてくれといいたい。

そういう意味では、昨今の投資ブームは、どうかと思う。以前の日記で書いたけど、僕自身も投資はしている。
でも、どこの株指南もやっている本人も明らかに不労所得を得るのが目的で、どの銘柄が儲かる、とか、どの証券がいいとか。挙句に投資した会社がつぶれたから訴えるだの。という、この状態はいかがなものか。某会の奥田会長が「こういう風潮はいかがなものか」という気分がよく分かる。
老後の資金だか、なけなしのお金なんだか知らないけど、僕の目には、こういう輩はアイフルの被害者と同列にしか見えない。そもそも、お金の本質は適切な感謝を得た証であって、感謝し、感謝されることがないところにお金は存在しないしそれで増えることもない。不適切に増やそうとした見返りに過ぎない。そう考えればアイフル事件もLD事件の訴訟も、本質的には根っこは一緒。不労所得なんか求めるのが問題なのだ。まじめに働いて、それに見合った生活をし、そこに満足を得る生き方をすれば済むことなのだ。

そんなこんなで、きちんとコツコツ貯金してきた家内は尊敬しているし、そのお金での投資なんてとっても慎重になる。家内の貯めた他人に対しての「ありがとう」の蓄積を、僕が台無しにしていいという話にはならない。適切な先に、適切な意味合いで、適切に投資をして、必要なありがとうを株主として返してもらうことを心がけているだけである。

マスコミの馬尻に乗って、アイフルやらライブドアを非難しても始まらない。大事なのは適切にお金と付き合うこと。これに他ならない。