知らなかったはありえないでしょう

ミートホープの公判のニュースで、元常務が「一族があんなにとっているとは知りませんでした」と。

企業の監査役等をやっている立場から言わせてもらって、「知らなかったはありえません」。
というのは、一般に役員の報酬に関しては、取締役会の決議事項のはずです。まず、これが決議事項であるべきであることを知らなかったのであれば、この常務取締役は、企業役員として許されざる不勉強です。
で、ニュースでは、偽装を始めてから利益率が急上昇し、その利ざやで異常な高給を取り出したとのこと。まぁ、こんな風に逮捕されることを含めて大きなリスクをしょってやったことなのでしょうから、リスクに対する対価だけ見ればそんなもんなんでしょう。

ちなみに、この会社の監査役さんは何をやっているんでしょうね。新会社法になる前に設立されているので、監査役がいると思うのですけど。まっとうな監査役であれば、急激な利益率の上昇も常務の給与と他の取締役との異常な給与差も見逃さないはずです。

ひょっとして、新会社法になってから、偽装を始めたのでしょうか。それなら企業規模によっては監査なしでも許されるので、いきなり数値が変化してもだれも分からないということになります。
おまけに、この方は、取締役会が発生することもないほど、短い期間しかこの会社にいなかったのでしょうか?その短期間に、偽装に気がつき速攻でやめたのであれば、「驚いた」だけで許されますし、賞賛されるべき行動です。でも、報道の雰囲気を見る感じではそんな感じでもないですね。

意外と、この事件で直すべきは、案外、企業監査のあり方であって、それだけで十分なのかもしれないなぁとおもいます。