職業倫理

愚衆愚民に続いて、珍しく自分の生活以外のお題を2つ目も書く。
今話題の姉歯さんの話ではないけど、職業倫理というものを少し考える。
理由は簡単。家内が「DVDをコピーしたいから新しいPCを買う」という宣言をしたから。いままでも、会社の同僚にいろいろとコピーしてもらって、それを見ていたようだけど、お願いするのが心苦しくなったんで、自分でやるという理由らしい。
これは、今話題のMP3プレイヤー問題等と違い、明らかな著作権違反。いわば知材の泥棒である。知財を作ることをサポートしたり、それをもとに仕事をしている人間としては、家族といえど看過してはいけない問題でもある。それは職業倫理上、見てみぬ振りはさすがにできない「はず」である。
で、普通の泥棒であれば、家族に泥棒がいても懇々と説き伏せれば、理非はわかるだろうし、警察官の家族であればそんなことを働けば、警察官が失業するのも然りとなる。それは、家族のほうも普通にわかる話である。
が、こと、コンテンツになるとなぜか、こういうことを言うととたんに大喧嘩になって「ただの頑固者。みんなやってること。」と主張されて、それで議論は終わりで、家庭内が荒れるだけということになる。著作権法ほかの知財関連の不備も確かにあるけど、この手のコピーはただの泥棒。

で、翻って、姉歯さんは何を思って、強度設計を偽造したのだろうか?
仕事を出さないぞという大手の圧力と家族の生活維持のハザマで、どんな気分だったのだろう。

たかがコピーされどコピーである。自分の目の前の違法コピーをやめさせることもできない。職業倫理という意味では、姉歯設計事務所を一方的にはたたけないなぁと、反省することしきりである。