日本の冷酷非情な縮図が旅フェアだった。

さて、色々きついことを書くけど、今さら固有名詞をたばかったって始まらないから、全部実名で行きましょう。

旅フェア」と言うイベントで日本商工会議所が持っている「Feel Nippon」の中にAnjoHeartsPROJECTが出展するというので、去る9日、10日とおまけの交代要員でお手伝いをしてきました。変な話、AnjoHeartsは観光業振興のプロジェクトじゃないのでおもくそ関係ないのですが、何の因果か誘われて出る羽目になったようで、スタッフもわりと「ゆるきゃら狩り」ができればいいやと、いわゆる成果は期待していませんでした。多分、完全な義理消化。とは言いながら、個人的には観光関連の地域振興の勉強会で講師に呼ばれたりもしていて、そこそこ関心のあるジャンルではあったので、お手伝いに行ってきたわけです。
とはいえ行ってみたら、となりも安城市で、ちょびっとだけお仕事になった「願いごと」の地域ブランド化と言う代わった観光業を当てこんでいる事例でした。ちなみに、他のブースも全部、地域・地方の商工会議所が中心で観光ネタ売り込みな訳です。完全、場違いAnjoHeartsさん。

で、まぁ、この辺から本題なのですけど。
ブースの後ろが、丼物選手権だかいう出し物になっていて、大量にそこに人が来るわけです。「Feel Nippon」全体としては、そこのお客が大量に流れてくるからいっぱい客来るぜよってのが当て込みだったようです。
確かに来るわ来るわ。みんな僕らのブースのあるホールの入口から、丼物選手権の会場まで一目散に。がっちり全力素通り。もう辺り一帯、閑古鳥鳴きまくりです。混んでるのはその選手権会場だけ。

で、まぁ、愚痴を言って歩く各地の商工会議所さんの多いこと。

やれ、「導線がおかしいからうちは見てもらえない」だの、「主催者の配慮が足りない」だの。でもですね、変な話ですが、最終的には閑古鳥だらけの中で、安城の2ブースは結構混んでたんですよね。通路をせき止めるぐらいお客さんが頻繁に立ち止まってますけど。とはいえ、過去のAnjoHearts的には集客に関しては最低客数と予想されますが。それだけ厳しイベントであるのは事実なんですけどね。
AnjoHeartsのメンバーの方が、ポロっと言ったのが非常に印象的で
「これって、旅のイベントだよね。旅ってのは振り向かせて自分の所に来てもらってなんぼなんだから、この状態で振り向かせることができないってのは、どうなんだろうね」
と。
これが真実だなと。この会場全体がまるっきり日本の縮図な訳です。超人気ある観光地にはこぞって行くけど、その道中のモノには基本関心はない。でも、そこで関心をどう作るかが問われているわけで、こんな展示会会場ごときでそれができていないってのは、普段の観光振興のスタイルも推して知るべしってことで。
うちの隣のブースの試食に「あんなの試食やってるから客来るんだ」と、悪態ついている某商工会議所人もいましたが、「Feel Nippon」内の試食コーナーのあるブースの中であれだけ混雑を生んでいたところはありません。ほとんど、試食があろうが無かろうが閑古鳥でした。
あれは、ちゃんと知恵を絞った呼びこみをしているからです。
そんなものも見えないならよっぽど見事な節穴です。
ついでにうちのブースなんか旅行と関係ないけど「Feel Nippon」内のブースの中では人を多く呼び込んでいた方です。地元に根差した面白いモノ作りは下手な観光地よりはるかに目を引くということ。裏を返せば、それは観光資源にまで昇華できるということ。個人的には自分の理論が通用していることが分かって嬉しかったんですけどね。
更にちゃんと他の中のブースへ人を流し込むのに貢献していました。それを真面目にフックしなかったのは誰ですか?

なるほど、日本商工会議所が助成金いくら突っ込んでも観光地が新しく生まれないわけです。今回の主催者批判のような姿勢で、やれ国が悪い、交通行政が悪い、補助金が使いにくい、と言い訳ばかり繰り広げているわけです。そんな他力本願な根性で作られたものになんて、いろんなことに目が肥えた都会の人は行かないよ。
今回の旅フェアはそれを思い知らせてくれる、実にすばらしいイベントだったと思います。
むしろ恨み節だけ並べて帰るところと、ちゃんと反省するところで差が広がるんだろうな。
もしくは、過去良い観光地だった所でも、反省をちゃんとしないと客の下落に歯止めがかからんだろうし、今、新興観光地でも、ちゃんと反省して色々作りかえればいい観光地に化けるはずです。

なので、僕的には主催者、GJ!
是非来年もこれぐらい冷酷非情なイベントに仕上げて下さい。楽しみにしています。