いけいけXP!
唐突ではあるが、私は密かにWindowsXPを非常に応援している。
個人的には今までどちらかと言うとアンチMSな世界で仕事をしていくことが多かったので気分的には抵抗のあるフレーズである。さらに、ネットワークをやる仲間のあいだでは、こいつ(XP)は非常に不評な代物である。実際、ネットワークOSとしては、前に出たWindows2000が非常に評価が高く、MSに勤めている知人も「これ(2000)は自信をもって勧められますよ」というくらいの自慢の逸品だ。私もこの見解には、全く異論はない。セキュリティにしても、パフォーマンスにしても安定性にしても、どれをとっても、Windows2000が秀逸なサーバー向けOSであることに全く間違いはない。
当然、これの後継としてみた場合、XPに欠点がないということはないのだが、私はXPに非常にほれ込んでいる。
何に惚れているのかというと、XPのあのTVCMに惚れこんでいるのである。別に女優が可愛いとかそういうことではなく、TV電話でやり取りするああいうスタイル提案でのOSの売り方に期待しているのである。
TVCMに出てくるTV電話の正体はWindowsXPに搭載されているWindows Messengerであるが、実際にインフラが整備されたのちのコミュニティエリアでのやり取りのキラーアプリケーションとして、VoIP(Voice over Internet Protocol)や画像付きのVoIPが力をもって来ることは間違いはないであろう。実際に企業内というコミュニティに限れば、すでにVoIPの普及は深く静かに進行している。
技術的な性質からみても、VoIPはグローバル・エリア向けのキラーコンテンツというよりはCAN(コミュニティ・エリア・ネットワーク)やMAN(メトロポリタン・エリア・ネットワーク)向けのコンテンツといえる。
しかし、一般な普通のコミュニティに視点に移すと、その普及速度はFAXやe-mailの時と比べとても遅い。技術的に開発途上だとか通信インフラの問題だとかもあるのだろうが、問題はそれだけではないような気がする。
やはり、「知っているあの人もやっている」という心理的な要因が無さ過ぎるのではないだろうか。むしろ、多少不便であっても、「あの人もやっている」ということがあれば、ぼちぼちみんな使い出すのではないだろうか。
私は、技術上の要因とかインフラの問題はその次に来るものだと思っている。ある程度普及して、その次の段階でメーカーやサービス業者が切磋琢磨して市場が大きくなって行くものだと私は思っている。
そのようなわけで、XPのTVCMとXPの普及には非常に大きな期待をもっている。
普通の人がVoIPをやるためにPCやOSを買い、その友達もVoIPをやるためにそのOSを買う。そのようにして普及したプロトコルにたいして、VoIPのための製品群がいろんなメーカーから出る。そして、今まで踏み切れなかった人達がVoIPを始める...。という、VoIPをベースにした新しいIT市場が創出され、さらにはコミュニティ内での新しいコミュニケーション手法として確立して行く。って、そこまでうまくはいくか分からないけど、期待はしているのである。
とにもかくにも、VoIP機器やXPというOSが売れること以上に、あの面白いCMから「ビデオ付きVoIP」と付き合うライフスタイルが普及してくれれば万々歳である。