ユニカム(UNICUM)
ネットで知り合った古からの友人ってのも結構いるもので、さらに言えば、
そうして知り合った方でも、疎遠になっている方もいるもんです。
別に仲が悪いわけじゃないんですよね。
私がバンバン引越しするわ、日本全域飛び回って仕事してみたりするわと
無駄にばたばたしていて、ネット初期に知り合った方は得に疎遠になって
たりします。
依然このお酒の部屋の「ジン&トニック」のコーナーで紹介した
「とりあえずジントニ」の名言を残したKさんも決して例外ではなく、
かれこれ、3年以上お顔を見ていない状態でした。
風のうわさでは、「赤口」を「しゃっく」と呼ばせて喜んでいた上司に
愛想が尽きて、六本木でバーテンダーとして人生再スタートしているとのことでした。
で、今年の春からの仕事で、何故かやたらと六本木に行く機会が増えたので、
ちょっと連絡を取ってみようと、ふる~いメールのログを掘り起こして、
メールアドレスをチェックし、携帯電話の番号を送り付けて返事を待つと
すぐに返事が返ってきて、お店の場所と勤務時間をチェック。
で、次の出張の時に早速、顔を出してみました。
F「しばらくやね」
K「そうだねぇ。もう3年くらいかな?」
F「もうちょっとたってるくらいだよ。結婚して以来あってないもん」
K「今、愛知県だっけ?」
F「そうそう」
などと、近況を他愛も無く交換。まぁ、喉が渇いたので、スコッチのソーダ割を
注文して、のんびり。
結構忙しい店らしく、その後はKさんもばたばたとお客のお相手中。
第三セクターの職員が今や立派なバーテンダー。
次々と、カクテルやロックなどを用意していく様は、ちょっと、かっこいいぞ。
小一時間ぐらいすると、ちょっと、暇ができてきたよう。
K「わるいね。折角来てもらったのに、あんまり相手できなくて」
F「いえいえ。ちゃんとバーテンダーなんだと実感してますよ」
K「あいてるけど、なんか飲む?」
F「せっかくだからなんか作ってよ」
K「どんなのがいい?」
F「最近弱くなったしなぁ....。珍しい薬草リキュールを使った、ゆっくり飲めるやつ」
K「相変わらず、変な注文だね(苦笑)」
F「よろしくぅ~♪」
バックバーをにらみ、丸っこい瓶をむんずとつかみ、カクテル作り開始。
首をかしげながら、何度か試飲。なんか、上手く行ってない模様。
K「ちょっと、これでどうかなぁ。試してみて」
と、首をひねりながらカクテルを出す。
F「どれどれ」
と、試飲。ちょっと、苦みが残って美味しい。
F「美味しいじゃん」
K「苦すぎない?」
F「いや、平気。美味しいと思うけど」
K「もう少しさっぱりする予定だったんだけど....。」
F「いやいや。僕の口にはこれが合ってますよ」
K「そういってもらえると」
F「ところで、どのリキュール使ったの?」
K「これ」
と、目の前に丸っこい瓶が出され「UNICUM」ってラベルに書いてある。
K「結構苦みがあるんだよね。上手く消せなかったなぁ」
F「いやいいぇ、この苦みがいいんでしょ。ストレートで頂戴」
K「リキュールをストレートで飲むのは相変わらずだね」
F「当然でしょ」
あ、オチが無い.....。