ブルーキュラソー

私がカクテルビギナーのころは、カクテルを自宅で作って飲む という雰囲気がまだ無く、リキュール一つとっても、 なかなか入手しにくかったものです。 今では、ディスカウントの酒屋や、コンビニでも、それなりの種類の リキュールを購入することができるようになり、 良い時代になったなあというのが実感です。

カクテルもボチボチ作るようになって、道具もボチボチそろって、 基本のベース(安物ばかりでしたが)も揃ってくると、 後はリキュールが足りないと思うようになってきました。

で、私がリキュールを揃えるためにとった手段は、 電話帳で近隣の酒屋すべてを調べ上げ、地図にプロットして 自転車で全件回るという、まさに、警察のような ローラー作戦でした。

で、まぁ、片っ端から入るんですが、どの店も リキュールはおろか、ジンすら満足に売っていない ところばかりで、ほとんど苦労するだけ損をする という実状でした。

なんせ、見た目から、「昔乍らの酒屋」って感じで、 焼酎と日本酒とビールの3点セットが基本。プラス、サントリーもしくは ニッカのウィスキーが置いてあれば尚善し。という所ばかりでした。

ある日そんなお店に迷い込んだ時のことです。
門構えからして、まぁ、まさに「昔乍らの酒屋」で 入ってみると、お約束の3点セット+国産ウィスキーという、 非常にしょぼい店だったんです。
ため息半分で、奥のほうを除くと、何と!
ブルーキュラソーが3種類も飾ってあるではありませんか!
ボルス
ヘルメス
キューゼニア
まさにビックリです。
これは!他にもあるのでは!と期待が膨らみ、店内を見渡すと どこをどう目を凝らしても、他のリキュールは一切売っていないという 不思議な状況。

結局、2時間そのお店を捜索しましたが、他には一切カクテルに使えるものが 無いので、ボルスのをあきらめて買って帰りました。
その後、そのお店に行くことはありませんでした。

何のために仕入れたのか。
残り2本はどうなったのか。
8年たった今でも、密かに気になる事です。