アンゴスチュラ・ビターズ

カクテルに欠かせないのが、ビターズ。
それだけで飲んでも、それほど美味ではないが、薬用として、またカクテルの必要不可欠な素材として活躍する。
その中でも、アロマティックビターズと言われるものは、数限りない出番を持つ。
そのアロマティックビターズの中でも、代表的なのが、この「アンゴスチュラビターズ」だ。

ある友人が私より一足先に、大学院を修了し就職したときのお話。
まぁ、基本的に何でも出来るやつなんだけど、世話焼きさんで、何にでも首を突っ込んで、世話をするんだけど、いつもやりすぎるというのがたまに傷。今のご時世では、濃いやつという事で敬遠されがちな人種です。

私はどっちかというと、こいつと結構つるんでいたので、色々お世話になりましたねぇ。うん。
遊び相手がいなけりゃ呼び出すわ、寝床がなけりゃかってに泊まりに行くわ。
挙句に、そこの家のホワイトホースを飲み尽くすわ。
まぁ、人が良いのにつけ込んで、散々の事をし尽くしました(笑)

で、折角の彼の門出ですから、何かプレゼントぐらいせんとなぁと、酒屋をぶらぶら。
いつものポールタウンのお店の中をぐるぐる。
彼への私なりのメッセージを考えながら眺めていました。
彼の良い所と欠点と。
そして、彼が寄り良い人生を歩めるような。
ま、それはかなりオーバーとしても、かさばらず、良いお酒はないかなぁ。

そこで、ひらめいたのが、このアンゴスチュラビターズ。
なぜって?
良薬口に苦し。しかし、カクテルの中に上手に入る事によって、カクテルを引きたて、そのカクテルという、集団の中では必要不可欠。
それでいて、オールマイティ。
どの会社にも必要な人材であるが、それだけではまた成立しない。

何でも出来るが、それだけでは人にきつすぎる彼と、それとなくダブるものが。
早速包んでもらう事も無く、裸のままで購入。
駅へ走る。荷物に埋まった、友人を発見
F「お、いたいた」
K「おー。こっちこっち」
F「ま、がんばって」
K「ぼちぼちやるわ」
F「ほい。やる」
K「なんじゃこりゃ?」
F「酒。餞別」
K「俺あんまり飲めんけど」
F「これはいっぱい飲むもんじゃないよ」
K「まぁ、もらっとくは。」
F「邪魔にならんでいいべ」
K「でもなんで餞別にこんな酒なの?」
F「さぁねぇ」

彼とは今でも交友がありますが、この餞別の意味をどれだけ理解してるのかなぁ。
このお酒の意味に彼が気がついて、周りの人が、アンゴスチュラビターズのラッパ飲みのような目にあってないと良いですが(笑)