エルドラド

かなりマイナーなカクテル。まぁ、夢のあるネーミングのカクテルですが、 レシピは単純。テキーラ、レモン、そして蜂蜜。これをシェークして、 大きめの氷の入ったロックグラスに。そして、オレンジのスライスを 太陽に見たてて、添える。
グラスの中に現れた、ちょっとした、黄金郷だ。

ちなみに、作るのが結構めんどくさいのも事実。一番のネックは 夕日の黄金色を奏でる蜂蜜だ。これがないと、このカクテルは成立しない。
が、普通のバーじゃ置いてない。で、自宅で作ろうとすると、 シェーカーに蜂蜜がこびりついて、離れなくなる。
どうしたものか。

で、行き付けだったお店にて。
毎度のごとく、研究サボりで飲みに来ている。
一杯目のジンを10分近くかけてのんびり飲んでいると
I「なんか今日はぼんやりしてるねぇ」
F「そぉかい?」
I「心ここにあらずって感じだね」
F「そぉかい?まぁ、どっか遠くへ行きたい気分だけどねぇ」
I「どこかねぇ」
しばらく沈黙。
いつものように、一杯目のジンを空けて
F「エルドラド」
I「何処そこ?」
F「いや、国の名前じゃなくて(笑)」
I「なんかカクテル?」
F「うん。そう。なんか、そんな気分だし」
I「レシピわかんないんだけど」
F「テキーラ・蜂蜜レモン」
I「蜂蜜ないなぁ.........。うん、何とかするか」
F「ほぉ」
で、バックバーで何やらこそこそと、カクテルを作り出すマスター。
チラッと、ドランブイのビンが。
F「ほぉ。ドランブイに肩代わりさせるの?」
I「ばれたか」
で、シェークして、大きめの氷の入ったロックグラスに。
そこにみかんのスライスを添えて。
I「こんなんで、勘弁して。チャームポイントはみかん」
と、目の前にグラスを持ってくる。
F「うーん。どれどれ」
飲んでみると、結構行ける。でも、なんか違う。
テキーラの風味が見事にドランブイに侵食されてる。
F「なんか違うぞ(笑)。美味しいけどさ」
I「美味しいなら、問題なしでしょ。」
F「エルドラドってよりは、侵略された南米大陸って感じかな(苦笑)」
I「なんで?」
F「いや、何ちゅうか、ドランブイが。やっぱ蜂蜜じゃないと」
I「そんなにいうなら蜂蜜持ってきてよ。いつでも作るから」
F「絶対だな?!今度持ってきてやる」

この約束はまだ実行していません。今度不意打ちで、蜂蜜買って持って行こう。