牧之

コタツの中にて.......。

F「あ、そうだ。メールで友達が結婚祝送ってくれるって」
妻「ふぅん。どぉせお酒でしょ」
F「.......................。」
TV見ながらだらだらと、時間を過ごす年末。
年末年始の休みに入る直前、Sからメールで 結婚祝の日本酒を送ったと連絡が入っていた。
でも、今、夫婦で禁酒禁煙。
酒が来ても、さほど楽しく飲めないような気も。
F「何も届いてないよねぇ」
妻「...............今朝なんか宅配が来てたような」
F「誰宛?」
妻「お姉さんが受け取ったから、見てないよ」
F「そか、じゃ、まだ届いてないのか」
妻「(しばらく考えて)ちょうど、一升瓶くらいの大きさの箱だった」
F「たぶんそれだよ...............。」

妻が下から、めんどくさそうに持ってきた。
厳重に包装された、大き目の箱。
がさごそがさごそ、しばらく包装と格闘。

あけると緑のビンに金のラベルのついた、日本酒の一升瓶.....。
F「ちょこぉぉぉぉぉぉっとだけ、飲んで好い?」
妻「飲みたいんでしょ」
F「うん」
妻「今日は寒いから、熱燗?」
F「大吟醸って書いてあるから、冷だろ」
妻「そう言うもんなの?」
F「うん」
Fの薀蓄がひとしきり続く。
妻「グラス持ってくるね」

で冷えたグラスが二つ。
F「日本酒嫌いじゃないの?」
妻「でも、飲んでみたいじゃない」
F「そだね」
よいしょっと、一升瓶から小さなグラスへ。
まず香りを。
お、すっきりしてるけど、ちゃんと米の香りが。
妻「良いにおいだね」
F「だねぇ。流石にお勧めだね」
で、口に入れる。
むむむ、甘すぎない、癖のない、流行の辛口日本酒。
妻「あ、日本酒ってこんなに飲みやすかったっけ?」
F「確かに飲みやすい。おいしいし」
妻「よかったねぇ。こんな美味しいお酒もらえて」
F「個人的には、べたべたくどくどの純米酒のほうが.......」
有無を言わさずに一言。
妻「私は、そう言うの嫌いなんだけど」
F「はい」

愛妻には勝てん............。
いや、夫婦で美味しく飲んでますよ。はい。